「表現の不自由展・その後」が抗議殺到で開始3日で開催中止 

昭和天皇の肖像を傷つけた作品を展示 「撤去をしなければガソリンを持ってお邪魔する」

「表現の不自由展・その後」に出展されていた「平和の少女像」
画像『論座』より引用

愛知県で8月1日から開催されている「あいちトリエンナーレ2019」の中の「表現の不自由展・その後」が開始3日で、開催中止に追い込まれた。慰安婦問題への抗議として作られた「平和の少女像」や昭和天皇の肖像を傷つけた形の作品などが展示されていたことで抗議が殺到。中にはテロ予告や脅迫とも取れるような内容、「撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する」というファックスも送信されてきたとか。また開催地愛知県名古屋市の河村たかし市長などからも展示を取りやめるよう抗議の声があがっていた。

 

「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」とは

『表現の不自由展・その後』サイト画像では、問題視された「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」とはどんな内容のものだったのだろう。「あいちトリエンナーレ」は2010年から3年ごとに開催されている国内最大規模の国際芸術祭。4回目となる2019は表現の自由やジャーナリズムなどを専門に執筆活動を行う津田大介氏を芸術監督にむかえ、「情の時代」をテーマに現代美術、パフォーミングアーツ、音楽プログラムなど様々な芸術作品を紹介している。

「表現の不自由展・その後」はその「あいちトリエンナーレ2019」のプログラムの中の1つで、「慰安婦」問題、天皇と戦争、植民地支配、憲法9条、政権批判など、近年公共の文化施設で「タブー」とされがちなテーマの作品が、当時いかにして「排除」されたのか、不許可になった理由や経緯とともに展示するという企画展だった。

津田氏が「表現の不自由展・その後」を企画した理由とは?

芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏の記者会見津田氏は「あいちトリエンナーレ 2019」の開幕約4か月前、ネット番組「ニコニコ生放送」に出演し、「あいちトリエンナーレの裏側を語る」とのテーマで今回のこだわりとして第一にこの「表現の不自由展・その後」を挙げていたという。津田氏は、同番組で自身が愛知で同企画展を開く意味として、

「『表現の不自由展』は(美術家の故・)赤瀬川原平が(同名の展覧会を過去に)やっていた。愛知出身の作家で、愛知の美術館にたくさん作品が所蔵されている。赤瀬川原平にもつなげられるし、面白くなるんじゃないかと思うし、僕がコミットできる企画でもあるので、僕の肝いりの企画としてやりたいと思う」

引用:JCASTニュース

と語っていたという。

赤瀬川原平とは、愛知県出身の作家、美術家。1963年に1000円札を肉筆で200倍に拡大模写した作品を発表、その後にも1000円札を印刷・加工した作品を発表し、これが通貨及証券模造取締法違反に問われ、裁判に。裁判官から、「言論・表現の自由は無制限にあるものではない」という言葉を言い渡されている。この裁判を題材に赤瀬川が開いた展示会名が『表現の不自由展』だった。

橋下徹氏も参戦 その意見は?

「表現の不自由展・その後」の展示中止を求めた名古屋市の河村たかし市長に抗議する集会
画像『論座』より引用

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が「津田大介さんはどこで間違ったか」という記事を投稿。冒頭でも述べたように愛知県名古屋市長の河村たかし氏から、「表現の不自由展・その後」の展示を取りやめるよう抗議があったことに対して、抗議の集会なども行われていたが、橋下氏は今回の「あいちトリエンナーレ2019」には公金も投じられており、税金を使う以上「とにかく『表現の自由』を侵害するな」というようなスタンスでは済まされず、その一方、反日的な表現だから許すな、というスタンスも危険だと述べる。以下橋下氏の結論を引用する

結論から言えば、「公金を使っている以上、反日的な表現はダメだ」という理由で、アウトの判定をしてはいけないというのが僕の持論だ。世間では、慰安婦像は反日! という理由で撤去を迫っているようだが、反日かどうかというラインの設定は極めて危険だと思う。

僕のラインは、公金を使って「一方的な」政治的表現をサポートすることは許されないというものだ。政治的かどうかという内容面で一切許されないとするものではない。一方的かどうか、対立側にも表現のチャンスを与えているかどうか、その他の立場の者にもチャンスを与えているかどうかというところでラインを引いている。これは表現のチャンスを平等・公平に与えているかどうかという、まさに「手続き的な視点」でのラインだ。表現の「内容」によってのラインとは異なる。

ゆえに政治的表現であっても、両立場、あらゆる立場にチャンスを平等・公平に与えているなら、公金を使っても問題ないというのが僕の持論だ。

引用:PRESIDENT Online

 

ちなみに、橋下氏はこの記事の冒頭で、評論家としてメディアに出演することも多い津田氏に、評論することと実行することがいかに違うか、評論家がいかに楽かというのが今回分かったと思うと、元大阪府知事・市長としての体験も交えた皮肉も忘れなかった。

なんにせよ、たった3日間の開催で、これだけ話題になった「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」。1度見ておけばよかったなーと思っている方もいるかもしれない。ちなみに展示中止となっているのは「表現の不自由展・その後」であって「あいちトリエンナーレ2019」自体は10月14日まで開催中だ。3年に1度という国内最大級の芸術祭を堪能するにはまだまだ遅くない。

 

参考:あいちトリエンナーレ2019

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