脳に電磁刺激を与えると、高齢者の記憶力が“若者並み”に改善された!?

海馬に磁気パルスで刺激を与え活性化させる

画像『WIRED』より引用

私たちが失うことを大いに恐れるもののひとつに”記憶”があると思う。巷には記憶力を上げるための習慣、食べ物、運動などの情報がテレビ番組や書籍、ウェブサイトなどで数多く紹介されているものの、その方法を取り入れて効果があるのかどうかとなるとなかなか実感しにくいことだろう。

そんな、方々にちょっとした希望を与える結果を発表をしたアメリカの研究チームが現れた。ノースウェスタン大学のジョエル・ヴォス准教授の研究チームはこのほど脳への磁気刺激によって記憶力が向上したことを論文で発表した。

記憶力の低下は脳の海馬という部分が衰えていくことが原因であることが多いというが、その海馬に磁気パルスで刺激を与えることによって高齢者の記憶力が改善するというのだ。

海馬と記憶力といえば複雑に道路が入り組んだロンドンで30年間タクシー運転手をしていると海馬が衰えるどころか、成長するという話も有名。海馬がなんらかの刺激で活性化するという今回の研究も気になるところだ。

64歳から80歳の被験者16人が若者並みの記憶力に

脳に磁気パルスとはなんともSFチックな方法のように思えてしまうが、このヴォス准教授は実際に行ったテストの結果もきちんと公表している。被験者は64歳から80歳までの16人に1日20分の刺激を5日連続与えたところ、与える前と比べ記憶テストの成績が良くなり若者に匹敵する結果が出たという。

16人という人数が十分なサンプル数なのかどうかの議論があることや、臨床現場に導入されるほど劇的な効果を期待できるか判断するのは性急ということを認識しつつも、ヴォス准教授の研究チームはこの磁気刺激法に記憶力を増強させる効果があることを確信、これからも前向きに研究を進めていくようだ。

「いまのところ実験したいと考えている主なテーマは、記憶力の改善をより安定的で持続性のあるものにできるかということです」と、ヴォスは語る。「そこで、刺激をより長期にわたって与える実験を予定しています。具体的には数週間連続で刺激を与えることを検討しており、被験者の記憶力が改善した状態がより長く持続するか検証するのです」

参考・引用:WIRED