15年シャワーを浴びてないのに臭くない男がいる!?まさかの真実!

キーワードは「マイクロバイオーム」という菌

体内のマイクロバイオーム
画像引用『The New York Times

夏になると特に気になる体臭。汗をかいたまま、会社帰りに満員電車なんかに乗っていると、自分の体臭が他の乗客に迷惑かけてないか、なんて気にしているサラリーマンも多いかもしれない。しかし、15年間以上、シャワーも浴びてないのに体臭がない、そんな不思議な人物がいる。アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジに住むデービット・ウィットロック氏だ。その不思議な現象を解くキーワードは人間の身体の至る所に常在する「マイクロバイオーム」と総称される菌の存在。ウィットロック氏がシャワーを浴びないのはこのマイクロバイオームを使ったある壮大なる実験のためだった。

 

我々の肌や口内にいる「マイクロバイオーム」が健康に大きなメリットをもたらしている

マイクロバイオームイメージ画像「マイクロバイオーム」は肌をはじめ、口内、肺、膣などにも常在している菌類、ウィルス、バクテリアなどの微生物。これらの微生物は、普通の人間ならなんと体重のおよそ1kg弱を占めているという。「マイクロバイオーム」が人間の健康に大きなメリットをもたらしているという認識は近年、急速に高まってきているという。身近なところだと、ヨーグルトなどを摂取することで増える腸内細菌「ビフィズス菌」などがわかりやすい例だと思う。しかし、”キレイ好き”な現代人による細菌を殺す薬剤の使用、どろ遊びなどをさせない事などに代表される環境微生物との接触の機会の減少、さらには食習慣の悪化などによって、私たちの身体の利益をもたらすマイクロバイオームが変化してきているという。それを表すのが以下の研究結果だ。

マイクロバイオーム研究フィンランド側
FINLAND – OCTOBER 10: Landscape with houses and forest near Lake Pielinen, North Karelia, Finland. (Photo by DeAgostini/Getty Images)

2015年におこなわれた研究によれば、アメリカ人のマイクロバイオームの多様性は、アマゾンの辺境に住むヤノマミ族のほぼ半分だった。また、90年代後半にはフィンランドとロシアの国境にまたがるカレリア地方でバクテリアと病気の発生率の関連性を調べる研究がおこなわれた。それによると、豊かで清潔なフィンランド側の住人は、田舎家に住み、動物を飼い、庭いじりをしているロシア側の住人と比べて、炎症性の疾患にかかる割合が13倍も高かった。数多くの類似の研究結果から、欧米人は清潔すぎて病気になっているのではないかと懸念している科学者もいるという。

引用:クーリエ・ジャポン

ちなみに、タレントのタモリさんは、実は石鹸やボディーソープを使わない入浴法を実践しているんだとか。博識の彼のことなので、もしかしたらマイクロバイオームの働きについて知っていたのかもしれない。

 

馬が泥の中で転がるのはどうしてか?

馬泥遊びそして、15年以上シャワーを浴びていないウィットロック氏の話である。元々アメリカの名門マサチューセッツ工科大学において化学工学の学士号と修士号を取得していたウィットロック氏は、ある日、泥の中に入り、転がる馬を見て、馬が泥の中で転がるのはどうしてか、ということに好奇心を覚え、調べ出し、それはアンモニアを分解する細菌を肌にこすりつけ、肌を感染症にかかりにくくするためだという考えをもつに至った。ここからさらに研究に夢中になっていき、科学論文などを読み漁っているうちに、アンモニアからエネルギーを得ている「アンモニア酸化菌」という菌に注目するようになる。

 

農地から「アンモニア酸化菌」を抽出し自分の身体で人体実験

デビット・ウィットロックウィットロック氏は、研究の結果、このアンモニア酸化菌(AOB)が汗を亜硝酸と酸化窒素に変化させることを突き止める。亜硝酸には防腐作用があり、酸化窒素には血圧を正常に維持する、病原体を殺すのを助ける効果がある。
そこで、ウィットロック氏は農地などの土壌サンプルを集めてきては分析。「ニトロソモナス・ユートロファ」というアンモニア酸化菌を抽出することに成功する。すると、そのアンモニア酸化菌の効き目を試す実験を行うため、自分の身体にふりかけ始めたのだ。体臭のツンとした匂いは体内から発生するアンモニアが汗などと一緒に体外に排出されることが原因となっている。汗をかいた身体にアンモニア酸化菌をふりかければ、我々の身体にメリットをもたらしてくれる亜硝酸と酸化窒素を発生させてくれるだけでなく、体臭の元であるアンモニア臭も消えるというわけだ。その時から、シャワーを浴びるのを止めたウィットロック氏。どうやら自分の身体を使った人体実験は今のところ成功しているようで、15年以上経った現在でも、体臭を感じさせないという。

 

現在、ウィットロック氏の研究は石鹸やシャワーを使わずとも肌を清潔に保つことができる、という新しいトレンドとして美容業界に注目されているという。将来、香水の代わりにマイクロバイオームをふりかけるなんて日も来るかもしれない。

 

参考:クーリエ・ジャポン AERAdot. The Guardian